横浜市中区曙町にある家系ラーメンの名店「寿々㐂家 曙町店」を訪れました。家系ラーメンが群雄割拠する横浜の中でも、その高い完成度とバランスの良さで多くのファンを魅了し続ける「寿々㐂家」の味を、詳しくご紹介します。
本牧家を源流とする「バランス系」の雄
「寿々㐂家」は、家系ラーメンの創始者である吉村家から派生した「本牧家系譜」に連なる名店として知られています。
本牧家系譜は、醤油ダレが立ちすぎず、豚骨と鶏油のまとまりが極めて良く、「バランス型」または「クラシック系」と呼ばれるスタイルを築いています。
「寿々㐂家」本店（保土ヶ谷区上星川）は、そのバランス型の家系ラーメンの頂点とも呼ばれることが多く、曙町店もその系譜をしっかりと受け継いだ味わいを提供しています。
伝統的な家系の要素を守りながら、万人が「美味い！」と唸るような洗練された一杯は、この系譜あってこそと言えるのではないでしょうか。
バランスの良さによる味わい
寿々㐂家の一杯は、一口スープを飲んだ瞬間に、その絶妙なバランスに驚かされます。
じっくりと炊き出された豚骨のコクと旨味はしっかりと感じられるものの、ガツンと来すぎるほどの重さはありません。マイルドで飲みやすい仕上がりです。
キレのある醤油感も感じられますが、しょっぱさが突出することはなく、動物系の出汁と調和しています。風味豊かな鶏油が、スープの表面に黄金色に輝き、コクとまろやかさをプラス。この三位一体のバランスこそが、寿々㐂家最大の魅力です。重すぎず、後味すっきりとしたキレの良さも持ち合わせており、まさに「バランス系最高峰」と称される理由が分かります。
麺は、家系御用達の酒井製麺の中太ストレート麺を使用。もっちりとした食感で、スープをしっかりと持ち上げてくれます。デフォルト（普通）で頼むと、モチモチとした柔らかさが際立ち、このクラシカルなスープに絶妙にマッチします。
チャーシューは肉の旨味がしっかりとあり、スープとの相性も抜群です。ほうれん草・海苔は家系には欠かせないトッピング。特にほうれん草は、鶏油に浸して食べると美味しさが倍増します。海苔はスープに浸して麺を巻いたり、ライスを巻いたりと大活躍です。
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