エンジンオイル攻略ガイド、バイクを長く乗り続けるために

「(エンジン)オイルなんて、どれも同じでしょ?」

もしそう思っているのであれば、それは愛車の悲鳴を見逃しているかもしれません。バイクのエンジンは、車よりも遥かに高回転で過酷な環境にさらされています。

今回は、エンジンオイルを主体に、いちご屋が思う知っておいた方がよいであろう用語やその意味を整理しておきたいと思います。

目次

この記事の内容をまとめると

いちご屋

むずかしい用語に見えますがその意味をおさえて、最適なエンジンオイルを見つけてくださいね

エンジンオイルの種類とそれぞれのメリット・デメリット

オイルは、ベースとなる油(ベースオイル)の作り方で3つのクラスに分かれます。自分の走り方に合ったものを選びましょう。

主に下図のような3種類(100%化学合成油,部分合成油,鉱物油)に大別されます。それぞれのメリット・デメリットをまとめます。

おそらく、大半の方が「100%化学合成油」を選択されていると思われます。特に大排気量でパワーのあるバイクの場合はなおさらですし、バイクメーカー純正オイルでも化学合成油はとても多いです。

オイル指標の読み方について規格の深掘り

オイル缶をよくみてみると、数字やアルファベットが多くみられます。そのオイルの「能力」を表す数字です。

SAE粘度指数について補足をすると、オイルの粘り気の度合いを表しています。メーカー指定のオイル粘度を選択するケースが多いと思いますが、その人の走り方(サーキット、ツーリング、街乗り等々)、バイクの種類、季節によって、硬め(粘る)、やわらかめ(粘らずさらさら)を選択される場合もあるかもしれません。

例えば、季節を例にすると、夏場は気温が上がるため、エンジンの水温も高めな状態が続き、連動してエンジンオイルの油温も高くなります。よって、粘度をあげる(硬め)にする場合もありますし、冬場は逆で、そこまでエンジンオイルの油温も高止まりしないため、粘度指数をメーカー指定値にする等もよいのかもしれません。

迷う場合は、メーカー規定値にあわせておくで問題ないでしょう。

世界を牽引する主要なオイルメーカー

次に、世界のエンジンオイルメーカーは数多ありますが、主なバイク乗りに愛される、歴史ある名門と呼ばれるようなメーカーをまとめておきます。

エンジンオイルができるまで(一般的な工程)

一滴のオイルには、最新の化学技術が凝縮されています。一般的にどういった工程を経てエンジンオイルが生成されるのか、簡単な製造工程をまとめてみます。

エンジンオイルはさまざまな添加剤が含まれています。そのため各メーカーではその添加剤の種類や含有率をもって、1種類ではなく複数種類の銘柄があり、用途に応じて使い分けられるようになっていることが多いです。

ベースオイル(基油)とは

ベースオイル(基油)とは、エンジンオイルの缶を見ると「化学合成油」「鉱物油」といった表記がありますが、これはオイルの約80%〜90%を占める「ベースオイル(基油)」の違いを指しています。

残りの10〜20%は添加剤ですが、どんなに優れた添加剤を入れても、土台となるベースオイルの質が悪ければ、オイルの基本性能は決まってしまいます。現在、ベースオイルはAPI(アメリカ石油協会)によって、大きく5つのグループに分類されています。

1. 鉱物油(グループ I・II)

原油を蒸留・精製して作られる、最もベーシックなオイルです。

  • 特徴: 製造コストが安く、旧車などで使われるゴムシールへの攻撃性が低いのがメリットです。
  • 注意点: 分子サイズが不揃いなため、高温での酸化や低温時のドロドロ感(流動性の低さ)が弱点。こまめな交換が前提のオイルです。

2. VHVI / 高度水素分解油(グループ III)

現在、市販されている「化学合成油」のメインストリームがこのグループです。

  • 特徴: 鉱物油を高度に加工し、不純物を極限まで取り除いています。性能は100%化学合成油に肉薄しており、「高い性能と手頃な価格」を両立させた、最もコスパの良い優秀なベースオイルです。

3. PAO / ポリアルファオレフィン(グループ IV)

化学的にゼロから設計・合成された、まさに「真の化学合成油」の代表格です。

  • 特徴: 分子構造が均一で、極寒の地でも固まらず、猛暑のサーキットでも油膜が切れない圧倒的な安定性を誇ります。
  • マニアな視点: 性能は抜群ですが、単体では「ゴムを収縮させる」「添加剤が溶けにくい」という性質があるため、通常は他の基油とブレンドして使われます。

4. エステル(グループ V)

植物由来などの原料から作られる、ベースオイル界の最高峰です。

  • 特徴: 最大の武器は「金属に吸着する」という電気的な性質。エンジンを切った後も金属表面に残り続けるため、エンジン始動時の摩耗(ドライスタート)を強力に防ぎます。
  • 注意点: 湿気(水分)に弱く、劣化が早いというデリケートな一面も。レース用や、究極のレスポンスを求める超高級オイルに採用されます。

5. 注目の補欠選手:AN(アルキルナフタレン)

最近、高級オイルの成分表でよく見かけるのがこの「AN」です。 単体で使われることは稀ですが、PAOやエステルの弱点を補う「最強のサポーター」として配合されます。エステルの寿命を延ばし、PAOに添加剤を溶けやすくする役割を持っており、これが入っているオイルは「設計が新しい、こだわりのオイル」と言えるでしょう。

交換サイクル:その意味と理由

一般的な交換サイクルは、距離で考える場合は「3,000km〜5,000km」、期間(時間)で判別する場合は、「概ね3ヶ月から半年」とされるケースが多いと思います。

油脂類は基本的に、「汚れたら交換」が鉄則ですし、サーキット走行や高速走行(高回転を使った走行)が続くと、油温も高くなりオイル性能の劣化も見込まれるため、走行後即交換という場合もあるでしょう。

ツーリングであれば、前記距離や時間で判断でよいと思います。見た目だけではわかりづらいため、距離や時間による数字で判断するということになります。街乗りかつちょい乗りが多い場合は、意外とオイルを酷使することになるので、もう少し頻度高くオイル交換をするとよいでしょう。

いちご屋

ちなみにいちご屋は、おおよそ「3,000km」か「3ヶ月」、どちらか早いほうで交換しています

オイルメーカーや銘柄に悩み、選べない場合は、「純正オイルを選択する」でよいと思います。

メーカーはそのエンジンを純正オイルで開発してますし、まず間違いがない選択です。「高いオイル=良いオイル」とはいえず、「用途にあったオイル=良いオイル」という考え方が適切だと考えられます。

オイルの種類も大事なのですが、まずは交換サイクルを必ず守ること。これが鉄則だと思います。お財布に余裕があれば、交換サイクルを上げて交換数を増やしつつ、オイル銘柄もよりよいオイルを選択(用途にあったオイル銘柄を選択)するとよいでしょう。

以前Z H2のエンジンオイル&オイルフィルター交換の記録がありますので、こちらもご確認ください。

いちご屋推奨オイルは「MOTUL NGEN7」

いちご屋のバイクはカワサキZ H2です。スーパーチャージャーという過給機がある珍しいエンジンですが、高出力エンジンとなります。用途はツーリングでサーキット走行はないですし、エンジン回転も高めで走るケースはまれです。そのため、いちご屋が選ぶエンジンオイルは、MOTUL NGEN7 10W-40となります。

いちご屋

NGEN7発売前は、MOTUL 7100 を使っていて、こちらもおすすめオイルです!

モチュールが長年培ってきた「エステル・テクノロジー」と、革新的な「再精製(リジェネレイテッド)技術」を融合させた、新時代の100%化学合成オイルです。

最高級オイルの代名詞「エステル」には、特別な力があります。

  • メリット:
    • 金属への吸着: 電気的な力で金属表面に張り付くため、エンジン停止後も油膜が残り、始動時の「ドライスタート」から守ります。
    • 高温安定性: 極限の熱にも強く、エンジンのパワーダウンを最小限に防ぎます。
  • デメリット:
    • 吸湿性: 水分を引き寄せやすく、放置しすぎると劣化(加水分解)が進むことがあります。
    • コスト: 原料が高価なため、製品価格も必然的に高くなります。

1. 最大の特徴:環境と性能の「両立」

これまで「再生油」といえば、性能が劣るイメージがありました。しかし、NGEN 7はその常識を覆します。

  • 高品質な再生油をブレンド: 最大50%の高級再精製ベースオイルを使用。
  • CO2排出量を削減: 原油から新油を作るよりも製造工程での二酸化炭素排出を大幅に抑えています。
  • エコボトル: 容器にも50%の再生プラスチックを使用。

2. 注目すべき「3つの走行性能」

環境に優しいだけでなく、ライダーが体感できるレベルで「走り」が強化されています。

  • シャープなレスポンス:エステル配合により、エンジン内部のフリクション(摩擦)を極限まで低減。アクセルを開けた瞬間のツキが良くなります。
  • 強力な油膜保持力(API SP規格):最新のAPI SP規格に適合。高温・高負荷時でも油膜が切れず、過酷なスポーツ走行やアドベンチャー走行でもエンジンを徹底保護します。
  • スムーズなシフトフィール:**JASO MA2(2023年版)**に適合。クラッチの滑りを抑えつつ、カチッとした気持ちの良いシフトチェンジを長時間持続させます。

3. スペック詳細

項目内容
タイプ100%化学合成(エステル配合+高品質再精製油)
API規格SP(最新・最高峰グレード)
JASO規格MA2(最新の2023年規格適合)
主な粘度5W-40 / 10W-40 / 10W-50 / 15W-50
推奨車種スポーツバイク、大排気量車、最新のアドベンチャー車

まとめ

エンジンオイルはメーカー、種類も多いですし、品数も非常に膨大です。大事なのは、値段が高いオイルを使うことが目的なのではなく、エンジン保護の観点からまめにある程度の性能のエンジンオイルを交換していくことが重要です。

ある程度の性能のオイルは、最低でもメーカー純正オイルとし、予算に余裕があるならばより高いグレードのオイルを選択すればよいと思います。

エンジンオイルの交換方法については、また別記事でまとめていきたいと思います。

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この記事を書いた人

バイク、クルマ、ツーリング、ドライブ、カスタムそして洗車に魅せられている人です。少し変わった洗車をしています。

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